〈打撲と甘くみてはいけない〉緊急手術の可能性もあるコンパートメント症候群の原因と治療法
2023/06/06カテゴリー:ブログ,スタッフブログ,記事,捻挫・肉離れ・打撲log,ふくらはぎのスポーツ障害
こんにちは!
鍼灸整骨A.T.NAGASHIMAです!( ^ω^ )
皆さん、外出中に転倒したり、不注意で身体をぶつけて
「ただの打撲だし、放っておいたら治るだろう」
そう思った経験はありませんか??
もしかするとあなたがただの打撲だと思っているそのお怪我、進行すると手術が必要なコンパートメント症候群になるかもしれません…!!
コンパートメント症候群とは…
打撲や骨折、筋挫傷などの怪我や交通事故などによって、身体の中でむくみが生じた結果、筋肉の中の圧力が上がり循環が悪くなる怪我で、主に下腿部(膝から足首の間)でよく起きる怪我です。
ラグビー、サッカー、バスケットボールた格闘技などのコンタクトスポーツやスキーなどでよく起き、重症度によっては筋膜切開を行いような、恐ろしい疾患です。
症状
コンパートメント症候群の症状で代表的なものは以下の6つといわれています。
1.痛み
患部を押さえた時だけでなく、足首を動かしたときにも痛みが発生します。
また痛みの度合いとしては怪我の状態と合わない程、強い痛みがみられます。
2.感覚異常
むくみが溜まっている筋肉内にある神経が麻痺し、感覚の異常が起こります。
3.運動障害
筋肉が硬くなることで足首の動きが低下する等、運動に制限がかかります。
4.脈拍が弱くなる
最も発生頻度の高い下腿のコンパートメント症候群の場合は足の甲にある動脈が触れにくくなります。
5.身体が冷たくなる
循環が悪くなっていることで、身体が冷たくなります。
6.顔色が白くなる
循環が低下し、お顔に届くはずの血流も滞ります。
コンパートメント症候群の鑑別と治療法
コンパートメント症候群は上にあげた6つの阻血症状を確認し、コンパートメントが疑われる筋肉のストレッチテストも併せて行います。
患者様の状態をみてコンパートメント症候群の可能性を除外できない場合は、整形外科にてコンパ—ト内圧の測定を行い、診断を受けます。
コンパートメント症候群は重症なケースだと、筋膜切開を行う必要があり、整形外科的治療が必須となります。
A.T.NAGASHIMAの患者様の症例
〈怪我の時の状況、原因〉
11/25、自転車で走行中に前方の人を避けようとして、バランスを崩し転倒されました。
詳しいことはよく覚えてないが、自転車が身体にのる形で転び、足が自転車の下敷きになったそうです。
〈治療の経過〉
初診 11/27
(症状)
・内出血がある
・強い腫れがある
・足を押すと痛みが強い
・歩くのが痛い
・患部が熱を持っている
患者様はこのような状態で、痛みの程度もけがの程度の比例しており、コンパートメントで起こる顔面蒼白や脈拍の消失や骨折の所見も見られませんでした。
当院では切開が必要なコンパートメント症候群ではないと判断し治療をすすめました。
治療内容としては氷でしっかりアイシングを行い、炎症を早く引かせます。
また微弱電流も使用することで炎症症状を早く軽減させ、早期回復を目指します。
急性期が過ぎた段階で筋肉の緊張を取り除く為、マッサージやストレッチ、運動療法を行い、柔軟性や筋力の低下を防ぎます。
11/28
昨日より痛みは軽減。
引き続きアイシング、電気治療を行います。
11/29〜30
今まで座ることも出来ないくらい痛かったのが、なんとか座れるようになりました。
内出血が徐々に表面に現れ、濃くなってきました。
事前に内出血が濃くなってくるというお話をしていたので驚かれませんでした。
12/1〜5
益々内出血が著明に。
ふくらはぎだけでなく、足首にまで内出血が広がってきました。
可能な範囲で足首を動かしアイシングを行いました。
(2017.12.1↓)
12/6〜12/9
内出血や腫れが軽減してきました。
ご自宅でもできる運動を指導していきます。
(2017.12.7↓)
12/11〜12/13
受傷から約2週間、痛みはほとんどなくなりました。
ふくらはぎにむくみが残っているので、むくみの軽減を目指します。
(2017.12.11↓)
12/14〜12/25
むくみも反対の足と同等にまで回復しました。
また血色の良くなかった皮膚も綺麗な色に変化しました。
(2017.12.19↓)
<患部状態の経過>
初診時の写真はありませんが、内出血が一時濃くなり色が変わり、薄くなっていく様子が観察できます。
当院で治療された患者様も別のお怪我で通院中だった為、この打撲のお怪我のご相談もお受けしましたが
「ここに来ていなかったら、そのまま放っておいたと思う…」とおっしゃっていました。
お身体の状態を確認し、もう少しひどいケースだと手術になる可能性もあるお怪我ですとご説明し、今後の経過と治療方針をご説明いたしました。
しっかりと治療に通って頂き、今では柔軟性や筋力の低下もなくお元気に過ごされています!
今後はまた同じような場面になった時に転ばないよう、トレーニングもしていきましょうと担当者と楽しくトレーニングを行っています(*^^*)
同じようなお怪我でお困りの方
周りの方のお怪我が心配な方
転倒しないようにトレーニングをしたい方
当院までお問い合わせください!☆
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監修 柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師 原田彰
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